第27回日本言語聴覚学会in広島参加!その4

学会2日目(6月27日)

 広島の実家で起床しニュースを見ていると、昨夜の新幹線が途中で止まっていたという報道があった。本来は2泊の予定だったが、もし台風で今日の新幹線が止まってしまうと、明日の便が大混乱になる可能性がある。あまりリスクは取れないので、今日の学会は午前中で切り上げ、台風が来る前に帰京することにした。

 

 午前中は言語聴覚学会ではあるが、栄養をテーマにしたプログラムをチョイス。最初は教育講演として、栢下淳先生(神戸学院大学 栄養学部)による「嚥下リハビリテーションの効果を最大化する栄養戦略―リハ・栄養・口腔連携の重要性」。 栢下先生ほどの方が60分というのは短縮バージョンだったと思うが、とても示唆の多い時間だった。

 「嚥下調整食」により栄養量を上げていくので、食欲が増すものでなければならない。食事だから見た目も重要ということは誰もがわかっているが、エビデンスベースの力はやはり強い。 さらに、5つのポイントとして「彩り」「味のメリハリ」「温度」「適切な食形態」「栄養量を確保する調理法」が挙げられた。

 また、高齢期のタンパク摂取と筋肉量の話題では、朝のタンパク摂取が重要であることが強調された。

 次のセッションは合同シンポジウム(JSPEN)。テーマは「嚥下障害と栄養障害の原因の診断推論と症例検討」。非常にアグレッシブなシンポジウムだった。

 若林秀隆先生(東京女子医科大学病院 リハビリテーション科)、森隆志先生(総合南東北病院 口腔外科・摂食嚥下リハビリテーションセンター)、西岡心大先生(長崎県立大学)から、医師・ST・管理栄養士それぞれの立場でプレゼンテーションがあった。

 若林先生からは嚥下障害の総論と「カヘキシア(代謝不均等)」の解説、さらに「リハ栄養3.0」への進化の話。最近よく登場する「カヘキシア」だが、まだ理解が足りず、自分のノートにも「カヘシキア」と書いてしまう始末。もっと勉強しよう。

 森先生はSTの立場から、臨床的かつ幅広い視点で嚥下障害を解説された。「リハ薬剤」という言葉は聞いたことがあったが、概略の説明がとても役に立った。そして「内服薬嚥下障害」の話は、薬剤師でも薄々知っていると思うが、突き詰めると剤形などの分類につながる予感がした。私も薬学部教育のに携わる身として、薬学部でも浸透させていきたいと思った。今回一番面白かったのは、聴覚障害から食欲不振になるという話。中途障害者にとっては切実な問題だと感じた。

 西岡先生からは管理栄養士の立場で低栄養のアセスメントについて説明があった。スクリーニング、アセスメント、基準という段階があり、スクリーニングで言えるのは「At Risk」。確定はアセスメントと基準による、という話はとても合点がいった。最後に「嚥下障害から低栄養か?低栄養から嚥下障害か?」というディスカッションがあり、とても面白かった。

 その後、髙橋理美子先生(横浜市立大学附属市民総合医療センター)から症例提示があり、その場でパネラーの皆さんとディスカッションになるというアグレッシブな企画。病歴やがんの状態、投薬状況なども提示されたが、さすがに私にはイメージできなかった。もちろん結論が正しいわけではないが、多職種のディスカッションはいつも楽しい。

 合同シンポジウム後は広島駅に直行。午後の部も全部聴講予定だったので残念だったが、本当に充実した学会だった。

 実は今回の学会参加を決めたのは、地元広島ということと、五郎水大会長、福岡実行委員ということもあったが、STの雰囲気を肌で感じたいという思いからだった。その結果は一言。「同じ匂いのする連中」。来年の開催地を調べてしまった😁

 

2026年06月29日