新宿食支援研究会とは

代表挨拶

 今から15年以上前、私は新宿で「食支援を軸に、人がつながり、学び合う場をつくりたい」と思い、新宿食支援研究会を立ち上げました。気づけば月日は流れ、多くの仲間が集まり、数えきれないほどの活動が生まれました。 その歩みは、他地域と比べても胸を張れるものだと感じています。
 新食研は、生き物のような場です。関わる人の背景も、立場も、思いも違う。それでも皆、自分の仕事を終えた夜に集まり、真剣に語り合い、ぶつかり合い、笑い合う。3人の日もあれば15人の日もある。どの日も、熱量だけは変わりません。
 私は還暦を迎えましたが、若い世代のエネルギーを間近で浴びるたびに、自分の中にも新しい火が灯ります。 この場には、年齢や職種を超えて力が循環する瞬間が確かにあります。
私が大切にしている言葉に、スティーブ・ジョブズの「点と点をつなぐ」という話があります。 どんな経験も、どんな出会いも、未来のどこかで線になる。 新食研で生まれる「点」も同じです。一見、食支援と関係がなさそうに見えることも、いつか誰かの実践や人生とつながり、意味を持つ。そんな瞬間を、私は何度も見てきました。
これからの新食研は、Reboot(再起動)のフェーズに入ります。 若い世代が育ち、実践が広がり、多職種のつながりがさらに深まる。 私は老兵ではありますが、まだまだ現場で火を焚き続けます。
 新宿食支援研究会は、学びの場であり、育つ場であり、つながる場です。 これからも皆さんとともに、新しい点をつくり、未来へ線を描いていきたいと思います。 どうぞ、これからも新食研に力を貸してください。そして期待してください。

2026年6月
新宿食支援研究会代表  五島朋幸

 

 

沿革

 2009年7月、代表の五島朋幸が声をかける形で、新宿食支援研究会(新食研)を発会しました。 当初のメンバーは、医師・歯科医師・歯科衛生士・管理栄養士・ケアマネジャー・ホームヘルパーなど、約15名でした。

 その後、メンバーは増え続け、2020年のコロナ禍以前には約20職種・160名を超える規模となりました。 ただし、これほど多様な職種・所属のメンバーが一度に集まることは現実的ではありません。 そこで新食研では、5〜10名程度の少人数で活動するワーキンググループ制を導入しています。 口腔ケアの症例検討グループ、食事動作や姿勢を検討するグループ、訪問栄養士と他職種のコラボグループなど、テーマごとに活動しています。 コロナ前の2019年には、23のワーキンググループが活動していました。 現在は、約10のグループがリアル開催やオンライン開催で再び動き始めています。

 このような大所帯の組織では、ワーキンググループ制は非常に有効です。 少人数のため日程調整がしやすく、参加率が高まります。 また、参加者一人ひとりの意識が高まり、傍観者が生まれにくくなるという利点があります。

 

また、月1回ハイブリッド形式にて勉強会を開催しています。勉強会は発会当時から毎月開催しており、今では150回を超えています。

 

 さらに、新食研の取り組みとして毎年「最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会(通称タベマチフォーラム)」を主催しています。全国各地で食支援活動をしているグループ、個人が参加し、各地域で最期まで口から食べることの重要性を広め、実践することを目標にしています。

 

食支援とは

 食支援の意味は幅広い。地域の子ども食堂や海外への食糧支援まで。そのような中で、われわれ新食研は、口から食べることが難しくなった人に対する、医療、介護職等が地域で行う食支援を次のように定義した。私たちはこの定義に基づき活動していきます。

「本人、家族に口から食べたいという希望がある、もしくは身体的に栄養ケアの必要がある人に対し、適切な栄養管理、経口摂取の維持、食を楽しんでもらうことを目的としてリスクマネジメントの視点を持ち、適切な支援を行うこと」

MTK&Hとは

 新宿区では、口から食べるための支援を必要とする高齢者が1万人を超えると推測される。むせ込み、食欲低下、痩せ、食形態の不一致――こうした日常の「小さな異変」が、地域のあちこちで静かに積み重なっている。

 しかし、専門職が一人ひとりに対応するだけでは、この大きな地域課題を解決することはできない。だからこそ、新宿食支援研究会は「最期まで口から食べられる街、新宿」を掲げ、地域全体で食支援を生み出す仕組みづくりに取り組んでいる。

 その中心となる考え方が 「MTK&H®」 だ。

M(見つける人); 食や栄養の異常に気づく人。家族、近隣、介護職、飲食店、誰でもなれる役割。
T(つなぐ人);異変を感じたとき、適切な支援者へ橋渡しをする人。地域の“ハブ”となる存在。
K(結果を出す人=支援者); 専門職や支援者として、実際に食べられる状態をつくり出す人。
H(広める人);MTKの考え方や知識を社会に伝え、地域の学びを広げる人。専門職が担うべき社会教育の役割。

 この4つがそろうことで、地域には「食べられない」を「食べられる」に変える力が無限に生まれる。 たとえば、むせ込みが激しい人は、調理の工夫で最期まで食べられるようになるかもしれない。痩せてきた人は、家族のちょっとしたサポートで食事量が戻るかもしれない。専門職だけでは届かない領域を、地域の人々が補い合うことで、街全体が“食べる力”を支える。

  新宿食支援研究会は、この仕組みを 「MTK&H®」 として商標登録し、地域の未来をつくる活動を続けている。 「最期まで口から食べられる街」を本気で実現するために、専門職と地域社会がともに学び、動き、支え合う――そのための合言葉が、MTK&Hである。

食支援サポーター講座

 新宿食支援研究会では、「MTK&H」(見つける、つなぐ、結果を出す、そして広める)を活動指針としています。「なにか食に問題がある方を見つける人、それを適切な方につなぐ人、結果を出す人」を社会で生み出すために必要なのは「広めていくこと(社会教育)」です。

 そこで、新宿区内では、「超会プロジェクト」(代表 森岡真也)が「食支援サポーター講座」を運営しています。新宿内の多くの方に食支援の知識を持っていただくことを目的に、老若男女、様々なシーンで講座を開催しています。

スタッフ

代表 五島朋幸

事務局長 堀尾隆

事務局 粂純一 高瀬誠 稲山未来 井上美穂 齊藤直裕 栗原俊介