第27回日本言語聴覚学会in広島参加!その3
学会1日目
新幹線の遅れで午前中は参加できなかったが、1日目(6月26日・金)の午後の部から合流した。
最初の受講は特別講義。栗原正紀先生(長崎リハビリテーション病院)による「これからの地域医療を考える~重要となる地域リハの観点から~」。短い時間にエッセンスが凝縮された講義であった。
同じ日本でも地域差は大きく、一つの言葉では語れない。これまで「2025年問題」が語られてきたが、次は「2040年問題」である。2040年前後には団塊ジュニア世代が高齢者となり、少子高齢化と人口減少がピークを迎える。労働力不足や社会保障負担の急増、地方衰退など複合的なリスクが一度に顕在化する。しかし、地域によってはすでにこの問題が“今まさに”起きているという指摘が印象的だった。
こうした状況の中で、広域の地域リハビリテーションを展開していく必要がある。臓器別医療・急性期中心の医療から脱却し、社会参加の視点が求められる。言語聴覚士(ST)が果たす役割は大きく、社会との馴染みも良いという話だった。
個人的には「STの社会参加」という言葉に少し違和感があったが、「確かにそうかもしれない」と思いながら次のセッションへ向かった。
ルピナス共催の福岡達之先生によるスイーツセミナーを受講しようとしたが、想像以上の参加者で断念。企業展示を見ながら時間を過ごした。セミナー終了後、ルピナスの山本直愛社長にお会いできたのは嬉しかった。先日急逝された会長のお話もしたかったが、胸がいっぱいになり、早めに会場を後にした。
次のセッションは、この日のメインイベントである特別セッション1「地域の外食や食品作りに還元する言語聴覚士の知識について」。 牧野日和先生(愛知学院大学)、髙田耕平先生(はなすたべるくらす舎)、山下晃司先生(県立広島大学)、笠井幸子先生(Seat Table)という、思わず笑ってしまうほど個性的な4名の先生方が登壇された。
牧野先生が総論を述べた後、高田先生・山下先生から出た「手元調整」という言葉が強く印象に残った。栄養士ならともかく、歯科界ではあまり聞かない言葉であり、歯科とSTの立ち位置の違いを痛烈に感じた。また、笠井先生の実践はさらに社会に踏み込んだ内容で、途中で「これはSTの活動なのか」と思うほど広がりのある話だった。
ディスカッションではご指名をいただき、少しだけ意見を述べたが、栗原先生の講義内容とまさに合致しており、すべてが一本につながった感覚があった。 私の世代は、STの国家試験が始まったことを知る世代だ。もちろんそれ以前にも活躍されていた方々は多くおられるが、職種として成長し、可能性を広げ、社会で実践されてきていることを強く感じた1日目であった。